○カモカモちゃん歓迎会

次の日。コレちゃんが来たときと同じように大家さんの部屋で歓迎会をすることに
なりました。大家さんとコレちゃんが仕度をしています。

「コレちゃん、ところでハットちゃんは？」

「さっきですね、お菓子買いに行っちゃいましたよ」

「・・・。どーせまた自分が食べるつもりなんだろうね」

もうハットちゃんの自己中なところをあきらめた様子の大家さん。やっと仕度ができたので
カモカモちゃん達を部屋に呼んでいよいよ歓迎会を始めることにしました。・・・あれ？　
まだハットちゃんは帰ってきませんね？

○ハットちゃんのポップコーンを・・・

コレちゃんが外に出てキョロキョロとしてみると道の向こうからハットちゃんが何か食べながら
帰ってきているところでした。

「あ〜コレちゃんただいま。もぐもぐ」

「なに食べてるの？」

「これ？　これはポップコーンっていう食べものよん。もぐもぐ」

「ふ〜ん。ところで歓迎会始まっちゃうから早く行きましょうよ」

「りょ〜かい。もぐもぐ」

ひたすらポップコーンを食べながら大家さんの部屋へと向かうハットちゃんでありました。
このあと起こることも知らずに・・・。

○グワグワグワ！

ハットちゃんが帰ってくるのを待っている大家さんとカモカモちゃん達。あるとき突然
カモカモちゃん達がハナをひくひくと動かし始めました。どうしたのでしょう？　そこに
ハットちゃんがドアを開けて入ってきました。

「おまたせ〜。もぐもぐ。・・・ってうわー！　なにすんのー！！」

「グワグワグワ！」←カモカモちゃん達

「ぐわー！！」←ハットちゃん

ななんとハットちゃんがドアを開けるなり突然カモカモちゃん達がハットちゃんに
躍りかかったのです！　襲撃されるハットちゃ・・・ん？　いやなんか違います、
ハットちゃんがポップコーンを投げ出したらそっちに行っちゃいました。一心不乱に
５匹がポップコーンをついばんでいます。どうやらハットちゃんにではなくポップコーンに
襲いかかったらしいですね、こりゃ。

○ポップコーンうらみ節

＜ハットちゃんのその日の日記＞

ポップコーン月　こわい日

びっくらこいた〜。大家さんの部屋のドアを開けたらいきなりカモカモちゃん達に
飛びかかられちったのよ。なにかと思ったら原因はアタチがお菓子屋さんで買ってきた
ポップコーンみたい。ポップコーンを全部平らげたら急に落ち着いたカモカモちゃん達に
事情を聞いてみたら、なんでもポップコーンが大好物で、見た途端に見境が
なくなってしまうんだって。う〜今度から気をつけねば〜。おそろしや〜。

さすがのハットちゃんもけっこうビビったようですね。おそるべしカモカモちゃん。

○はばたけカモカモちゃん

ハットちゃんがカモカモちゃん達のご乱心をうけた数日後、さっそく日本全国へ向けて
カモカモちゃん達が情報収集のため飛び立っていくことになりました。

「ごくろーさまです！　みなさんの頑張りでいい情報を送ってください！」

ハットちゃんの挨拶(短いな)も無事済み、２〜５号のカモカモちゃん達は日本全国へと
旅立っていきました。あれ？　カモカモちゃん１号は？　足元にいるカモカモちゃん１号に
気づいた大家さんが、

「あり？　キミは行かないの？」

話にハットちゃんが割り込みます。

「なに言ってんの大家さん。情報はまとめる人が必要なの！」

「んなのハットちゃんがやればいいじゃん」

「カモカモちゃん達が使っているモバイル端末は日本語じゃないの！　カモ語なの！　
言葉はわかっても文字まではアタチもかけないっちゅーの！」

「か、カモ語のモバイル端末なんて売ってるのかいな？」

どうやらカモカモちゃん達はレアなモバイル端末を所持しているようです。さてそれを使って
彼らはどんな情報をもたらしてくれるのでありましょうか？

★第２章〜情報収集編〜その10★